「Urban Legends: “Angels in the city.”」は、都市を舞台に、人間と共存する天使たちを中心とした架空の世界観および物語群である。本シリーズは、「世界」と呼ばれる普遍的な存在から遣わされた天使たちが、人間社会の中で使命を果たしつつも人間的な感情に触れ、都市に様々な影響を与える姿を描くものである。これらの天使たちの活動や逸話は、都市伝説として人間社会に密かに語り継がれている。
- Hirabar / 「The angel in a city」 シリーズ
「世界」は、この物語群における宇宙または存在の根源的概念であり、意志や感情を有する超越的存在として描かれる。「世界」は自己の理解や自己認識を求め、そのために天使を遣わし、人間や都市の営みを観察し、記録することを望んでいる。『世界』自身は直接的に人間や都市に干渉することはないが、天使たちを通じて間接的に関与を行っている。
本シリーズには、「世界」から遣わされた3種類の天使が登場する。それぞれ異なる役割や性質を持つ。
都市や社会の調和を維持し、バランスを守る役割を担う天使である。普段は人間社会に完全に溶け込み、必要な時のみ介入する。人間的な生活を送りながら人間の感情や社会性を理解し、それを使命に活かしている。しかし、特定の個人に深く肩入れすると“禁忌”を犯したとして扱われる場合もある。肉体を持ち、性別や年齢を選択して人間社会に溶け込み生活を送っている。多くの場合、白色人種・コーカソイド系の特徴を有することが多い。
守護天使とは対照的に、都市や人間の欲望や本能を刺激し、解き放つことを目的とする天使である。積極的に人間社会に関与し、人々の内なる欲求を促進させる。その活動は都市に活力を与える一方で、時に混乱や不安定さを生じさせる。守護天使と同様に肉体を持ち、多種多様な外見で人間社会に溶け込んでいる。
完全に中立的な立場から、都市と人間の営みを観察し、それを記録して「世界」に返す役割を持つ天使である。一切の干渉を行わず、ただ静かに観察を続ける。その記録は、「世界の記憶」として普遍的に存在し続け、人間が特別な感受性を持った際にデジャヴなどの形で触れることがある。記録天使は肉体を持たず、純粋な意識体・精神体のまま存在しており、守護天使と解放天使の行動も含めて全てを記録する。
天使は本質的には性別を持たない「純粋な意識体・精神体」である。世界から都市・人間社会に派遣される段階では、完全に中性的で性別に囚われない存在である。
人間社会に溶け込む守護天使と解放天使は、社会生活のために生物学的な性別と年齢を任意に選択し、人間の肉体を創造する。年齢は概ね10代後半から20代の青年期が多い。加齢については、個体によって自然に加齢を再現する場合や年齢を変えず一定期間過ごした後、不自然になりそうな時期に都市を去るなど、柔軟に対応する。
天使が「守護天使」や「解放天使」としての本来の姿を現す場合、肉体には翼が付加される。翼の色は守護天使が基本的に白色であるのに対し、解放天使は各自の好みで様々な色を選ぶことができる。この本来の姿は通常、一般の人間には知覚されないが、一部の感受性が高い人間には状況次第で知覚される場合がある。
人間社会での生活には学業や労働が伴い、個体によっては経済活動を通じて人間の生活を理解する。経済的に困らないような設定(例えば裕福な家庭)を選ぶこともあれば、アルバイトなどを行い現実的な生活を送る天使もいる。
本シリーズに登場する都市は、現代的で人工的な環境を持ち、人間と天使が共に生活を営んでいる。人間たちは基本的に天使の存在を都市伝説程度にしか認識しておらず、天使たちもまた、自らの正体を人間社会に明かすことなく生活を送っている。しかし、一部の感受性の高い人間は、特定の状況下で天使の存在や活動を感じ取ることがある。
天使たちによる一連の出来事や活動は、多くの場合人間社会の中で都市伝説として語り継がれている。ある天使が禁忌を犯して人間を深く愛した物語、あるいは天使の実在を証明しようと試みた人間たちの物語などが含まれ、これらは都市の人々の記憶や文化として深く根付いている。